尿膜管遺残症例の検討

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  • Urachcal Remnant : Nine Cases Report

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過去10年間に経験した尿膜管遺残9例を対象として, 主に診断と術式について検討した。性別では男性が7例と多く, 年齢は平均27.2歳と若年者が多かった。主訴は臍炎が7例で, 他は下腹部痛および無症状が各1例であった。病悩期間は平均1年5カ月と長期にわたる例が多かった。直腸癌の術中に偶然発見された1例を除く8例では, 術前に尿膜管遺残と診断した。手術は, 尿膜管臍瘻7例では臍の一部を含む尿膜管臍瘻切除を, 5例で開腹下に, 最近の2例では腹腔鏡下に施行した。また尿膜管嚢胞2例では, 開腹下に切除した。なお癌疑診の1例では, 臍, 膀胱部分切除を含む尿膜管嚢胞切除を施行した。病理学的には, いずれも良性の尿膜管遺残であった。術後合併症はなく, 再発も認めていない。難治性臍炎は尿膜管遺残にて生じる例があり, 適切なる治療を行う必要がある。また腹腔鏡下手術は, 診断から治療までを一貫して行うことができ, 大変有用であった。

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