痔瘻癌の1例

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  • A Case of Cancer on Fistula-in-ano

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説明

痔瘻癌の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する。症例は63歳男性。既往歴として27歳時に痔瘻にて手術。現病歴は, 平成7年8月初旬より肛門部の痛みの増強と腫脹が出現し, 8月20日に近医で肛門周囲膿瘍の診断のもと切開排膿術を施行された。再度, 肛門部痛が出現したため, 平成8年1月31日に当科を受診した。初診時, 6時に痔瘻の一次孔が開孔し周囲に硬結を, またその口側にfluctationを伴う有痛性膨隆を認めたため, 高位筋間膿瘍の診断で仙骨麻酔下に切開排膿術および硬結部の生検を施行した。組織診で粘液癌と診断されたため, 本例を痔瘻癌と診断し, 後日, 腹会陰式直腸切断術を施行した。開腹所見では, 腫瘍は硬い被膜で被われ, 肛門管後壁より仙骨前面に存在し, 強固に仙骨に癒着していた。病理組織所見では, 粘液癌であり, リンパ節転移は認めなかった。術後7カ月後に局所再発を認め, 平成11年1月現在, 入院加療中である。

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参考文献 (14)*注記

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