IgG4関連硬化性胆管炎の概念・診断・治療

  • 大原 弘隆
    名古屋市立大学大学院地域医療教育学
  • 中沢 貴宏
    名古屋市立大学大学院消化器・代謝内科学
  • 林 香月
    名古屋市立大学大学院消化器・代謝内科学
  • 内藤 格
    名古屋市立大学大学院消化器・代謝内科学
  • 宮部 勝之
    名古屋市立大学大学院消化器・代謝内科学
  • 城 卓志
    名古屋市立大学大学院消化器・代謝内科学

書誌事項

タイトル別名
  • The concept, diagnosis and treatment of IgG4-related sclerosing cholangitis

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説明

要旨:IgG4関連硬化性胆管炎は高齢の男性に好発し,血中IgG4値の上昇,病変局所の線維化とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤などを特徴とする原因不明の硬化性胆管炎である.自己免疫性膵炎を高率に合併し,ときに硬化性唾液腺炎,後腹膜線維症などを合併する.さまざまな胆管狭窄像を呈するため,原発性硬化性胆管炎,胆管癌,膵癌などとの鑑別を要する.特に,膵病変が明らかでなく,本症単独で発症する症例の診断は難しい.2012年3月に厚労省の研究班と胆道学会が合同で作成した「IgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012」が報告され,今後,本症の鑑別診断にはこの診断基準を用いる機会が増えていくと考えられる.治療では,多くはステロイド治療に良好に反応して軽快するが,再燃を繰り返す症例に対して海外では免疫抑制剤の併用も行われている.予後はおおむね良好であるが,肝萎縮をきたす症例も報告されており,長期予後は不明である.<br>

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 27 (1), 92-99, 2013

    一般社団法人 日本胆道学会

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