甑島沖産巨大なスイフガイ類の 1 新種オキナスイフガイ Bucconia centa n. sp.

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タイトル別名
  • Description of a New Gigantic Scaphanderid Gastropod, Bucconia centa, from off Koshiki Islet, West of Kyushu
  • 甑島沖産巨大なスイフガイ類の1新種オキナスイフガイBucconia centa n.sp.〔英文〕
  • コシキジマオキサン キョダイ ナ スイフガイルイ ノ 1 シンシュ オキナスイ

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抄録

一宮市在住の平野肇氏が, 甑島近海から得た大型のスイフガイ類の一種は未記載種と思われるので, これを記載するにあたって日本貝類学会の創立者黒田徳米博士の満百歳を祝賀する。Bucconia centa n. sp.オキナスイフガイ(新種・新称) : 殻は大型で殻長4cmを超え, 殻表には110本以上の螺溝がある。螺溝は殻頂方及び殻底方へ向って密になり, 内部は点刻状。螺塔は内巻きで, 殻頂部には穴も残さない。殻口は広く白色, 外唇頂部は殻頂より高くそびえる。内唇から軸唇にかけて厚い滑層が沈着し, とくに内唇と軸唇に移る辺りは高くそびえる。滑層表面は粗い顆粒状。胃板は不規則な心臓型で中央ややふくれる。動物体及び歯舌は知られない。殻高40.8mm, 殻幅27.3mm(完模式標本NSMT Mo-64230)産地 : 甑島沖400-500m。比較 : 本種は概観はスイフガイやテラマチスイフガイに似るが, いずれの種も殻長1cmに満たず, 殻口内唇に滑層の沈着はない。インドネシア産から2, 3の大型種がシボガ探検航海採集品から記載されていて, 殻の概形, 彫刻等に似かよった点がみられるが, 本新種のように厚い滑層瘤をもつものは知られていない。本新種名centaは100を意味し, 黒田先生の百歳に因み, 和名も翁を選んだ。

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