卵胎生有肺類ナミコギセルガイの雌雄同体現象の研究 II : 野外における繁殖周期

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Hermaphroditism of the Ovoviviparous Pulmonate, Euphaedusa tau (Bottger) II : A Field Study of the Breeding Cycle
  • 卵胎生有肺類ナミコギセルガイの雌雄同体現象の研究-2-野外における繁殖周期
  • ランタイセイ ユウ ハイ ルイ ナミコギセルガイ ノ シユウ ドウタイ ゲンシ

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抄録

1. ナミコギセルガイEuphaedusa tauを1978年から1981年にかけて, 毎月, 奈良女子大学校庭から採集し, 繁殖期をしらべた。2. ナミコギセルガイは卵胎生であるので, 成体(Stage 10)中に見出される'妊娠'個体の出現率をもってこの個体群の繁殖活動を表わした。3. 繁殖活動の変動は上記の2年間を通し, 同じ傾向をもつ周期性を示した。即ち, 繁殖は春に始まり, 夏にかけて最高になる。夏期に一時低下するが, 秋に入り再び高まる。冬期に停止する。4. 繁殖は温度に関係し, 平均月気温が約10℃より低いと繁殖を停止し, 25℃に近い気温でも繁殖率が低下する。5. 精子形成は短日下で盛んになる。一方, 幼貝の産出は温度に依存し, 適温条件下であれば, この種は繁殖を続けることが示唆される。

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