均一溶液からの沈殿生成に関する最近の進歩(I)

  • 滝山 一善
    ケース工科大学 武庫川女子大学
  • Gordon Louis
    Department of Chemistry and Chemical Engineering, Case Institute of Technology

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Other Title
  • キンイツ ヨウエキ カラ ノ チンデン セイセイ ニ カンスル サイキン ノ シンポ 1

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重量分析においては"希薄な沈殿剤を,かきまぜながらゆっくり加える"ことが重要な点である.そうすることにより大きな,そして完全な結晶が生成し,不純物の共沈を最小にとどめることができる.この目的に対して一そう有効な方法は,WillardおよびTangによって1937年にはじめられた"均一溶液からの沈殿生成法"(preclpitation from homogeneous solution-PFHS法)を使用することである.この方法においては,沈殿剤を常法のように添加するのではなく,溶液中で均一な化学反応によってゆっくりと発生させる.そこで沈殿は通常の沈殿生成過程でさけられなく,また望ましくない濃度効果にわずらわされることなく生成する.生成した沈殿は粗大ち密でこしやすく,そしてもっとも重要な点は不純物の共沈殿が極小になることである.日本においてPFHS法に関してすでに田中,太秦,蟇目らにより総説がこころみられている.またPFHSに関する成書が,Gordon,SalutskyおよびWillardにより著わされている.本稿においてはPFHS法の概略を簡単に述べ,PFHS法を利用した沈殿の核発生および共沈殿の研究について解説する.

Journal

  • BUNSEKI KAGAKU

    BUNSEKI KAGAKU 10 (3), 300-307, 1961

    The Japan Society for Analytical Chemistry

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