誘導結合プラズマ発光分析のためのキレート樹脂を用いる高効率自動前処理濃縮

  • 山本 貴子
    岡山大学理学部化学科
  • SABARUDIN Akhmad
    Graduate School of Natural Science and Technology, Okayama University
  • 野口 修
    岡山大学大学院自然科学研究科機能分子化学専攻
  • 高柳 俊夫
    岡山大学大学院自然科学研究科機能分子化学専攻
  • 大島 光子
    岡山大学大学院自然科学研究科機能分子化学専攻
  • 本水 昌二
    岡山大学大学院自然科学研究科機能分子化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Highly Efficient and Automatic Collection/Concentration with Chelating Resin for Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy
  • ユウドウ ケツゴウ プラズマ ハッコウ ブンセキ ノ タメ ノ キレート ジュシ オ モチイル コウコウリツ ジドウ マエ ショリ ノウシュク

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説明

誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)のための自動捕集濃縮前処理法を開発した.元素の捕集濃縮にはイミノ二酢酸基をもつキレートディスクとキレート樹脂を用い,これらを市販のラインフィルターに詰め込んで捕集濃縮カラムを作製し,自動捕集濃縮装置のバルブに接続して用いた.自動捕集濃縮装置はコンピュータで制御可能であり,キレート樹脂のコンディショニングを2分間,元素捕集を5分間,洗浄を1分間,溶離を1分間で処理し,流量は1 ml min−1で行った.自動捕集濃縮装置はオンラインでICP-AESに接続した.試料溶液から各元素をpH 5.5で捕集し,2 M硝酸で溶離を行い,ビスマス,カドミウム,コバルト,クロム,銅,マンガン,ニッケル,鉛,バナジウムの9元素が同時定量可能であった.5 mlの試料溶液を用いたときの濃縮倍率は3∼15倍程度であり,捕集率は低い場合でも約80% であった.検出下限は,最もよいマンガンで0.003 ppb,最も悪いビスマスで0.31 ppbであり,捕集濃縮をしない通常の測定に比べ数10∼100倍高感度となった.本法を水道水及び河川水中のこれらの微量元素の定量に応用したところ,良好な結果を得た.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 55 (9), 715-720, 2006

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (15)*注記

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