土壌溶液中のケイ酸濃度に及ぼす有機物の影響に関するモデル実験-ピロリドン系モノマーとポリマーの比較-

書誌事項

タイトル別名
  • The Effect of Organic Compounds on Si Concentration in Soil Solution - the Comparision of Poly(N-vinylpyrrolidone) and N-methyl-2-pyrrolidone -
  • 年間特集「土」 土壌溶液中のケイ酸濃度に及ぼす有機物の影響に関するモデル実験--ピロリドン系モノマーとポリマーの比較
  • ネンカン トクシュウ ツチ ドジョウ ヨウエキ チュウ ノ ケイサン ノウド ニ オヨボス ユウキブツ ノ エイキョウ ニ カンスル モデル ジッケン ピロリドンケイ モノマー ト ポリマー ノ ヒカク

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説明

土壌溶液中のケイ酸濃度への有機化合物の影響を調べる予察的実験としてカルボニル基を有するPoly-N-vinylpyrrolidone(PNVP),N-Methyl-2-pyrrolidone(NMP)溶液中(pH 6.8)での非晶質シリカの初期溶解速度と溶解度を測定し,同条件での水中での結果と比較した.PNVP溶液中では,PNVPがシリカ表面に吸着することにより,シリカの溶解を抑制した.一方,NMP溶液中ではシリカの溶解度が水中と比べて増加した.これは,NMPとケイ酸との錯形成の結果と考えられる.更に,DFT計算により,真空中におけるケイ酸-NMP錯体の安定エネルギーは,水-NMP錯体よりも大きい〔Si(OH)4+NMP>H2O+NMP〕ことが明らかとなった.これは,NMPが水と相互作用を示すよりもケイ酸と錯形成するほうが安定化されることを示している.このように,両有機化合物では,カルボニル基がシラノール基と相互作用するにもかかわらず,ピロリドン系単量体のNMPはシリカの溶解を促進し,逆にピロリドン系高分子であるPNVPは抑制することが明らかになった.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 60 (2), 97-102, 2011

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (34)*注記

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