ガスクロマトグラフィー/質量分析法による塩中の残留農薬等の一斉分析

  • 野田 寧
    財団法人塩事業センター海水総合研究所 横浜国立大学大学院工学府・工学研究院機能発現工学専攻
  • 麻田 拓矢
    財団法人塩事業センター海水総合研究所
  • 小林 憲正
    横浜国立大学大学院工学府・工学研究院機能発現工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Simultaneous Analysis of Agricultural Chemicals Residue in Salt by GC/MS
  • ガス クロマトグラフィー シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル エンチュウ ノ ザンリュウ ノウヤク トウ ノ イッセイ ブンセキ

この論文をさがす

抄録

塩事業センターでは食品衛生法ポジティブリスト制度に対応して食用塩の安全性に関する116項目の農薬等を選定した.科学的な根拠により安全性を証明するために,これらに対する分析技術が必要となったため,ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)を使用した一斉分析法の検討を行った.塩試料中の農薬等は固相抽出法により抽出した.4種類の固相抽出カラムを比較し,スチレン-ジビニルベンゼン共重合充填剤であるPS-2カラムを選択した.試料をメタノールと水の1 : 1混合溶液で溶解し,農薬等のガラス器具表面などへの吸着を防ぐことにより回収率が向上した.親水性の農薬等は回収率が低いため一斉分析法への適用ができなかった.開発した分析法では,94物質(85項目)の対象農薬等を添加した試料について,約70% 以上の回収率と20% 以内の再現性が得られ,各農薬等の装置での検出下限は1~63 ng/mLであった.いくつかの農薬等については,低濃度での添加試験で回収率が低い物質も存在した.また,天日塩などの土砂を含む塩種では回収率に影響がある可能性があった.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 59 (7), 579-587, 2010

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (39)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ