キャピラリー電気クロマトグラフィーにおける無機イオンの分離能選択性の向上に関する研究

  • 横山 崇
    岡山理科大学理学部化学科
  • 善木 道雄
    岡山理科大学理学部化学科
  • MACKA Miroslav
    Australian Centre for Research on Separation Science, School of Chemistry, University of Tasmania
  • HADDAD Paul R.
    Australian Centre for Research on Separation Science, School of Chemistry, University of Tasmania

書誌事項

タイトル別名
  • Enhancement of Separation Capability of Inorganic Ions by Capillary Electrochromatography
  • キャピラリー デンキ クロマトグラフィー ニ オケル ムキ イオン ノ ブンリノウ センタクセイ ノ コウジョウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

キャピラリー電気クロマトグラフィーによる無機陰イオン及び金属イオンの分離選択性の向上が研究された.スルホベタイン型両性イオン界面活性剤を電気泳動緩衝溶液(BGE)に添加すると,臨界ミセル濃度(CMC)以下では電気浸透流の抑制ができ,10種類の無機陰イオンと7種類の無機陽イオンが分離できた.BGE中の両性イオン界面活性剤の濃度をCMC以上にすると,疎水性の大きい無機陰イオンの分離選択性をコントロールでき,更にClO4のような非常に大きな疎水性の陰イオンを補助添加剤として加えると,異なった無機陰イオンの分離選択性が発現できた.また,プレ錯形成やオンライン錯形成させたCu(II)錯イオンは,BGE中にCu(II) に配位するカルボン酸イオンやアミン類を添加することで,Cu(II) の分離選択性をコントロールでき,Fe(II),Co(II),Ni(II),Cu(II),Zn(II) の分離に有効であることを示した.また,両性イオン界面活性剤と無機イオンとの相互作用の強さ及びCu(II) とカルボン酸イオンやアミン類との相互作用の強さを表す指標として平衡定数を導入し,定量的な議論を行った.更に単座及び2座配位子の両方の性質をもつピリジンジカルボン酸をオンライン錯形成剤として,Co(II) とCu(II) の分離選択性を変えることに成功した.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (2), 107-120, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (72)*注記

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