生物発光及び蛍光に基づく分子イメージングプローブの開発

  • 金 誠培
    産業技術総合研究所つくば西事業所環境管理技術研究部門
  • 梅澤 喜夫
    武蔵野大学薬学研究所
  • 田尾 博明
    産業技術総合研究所つくば西事業所環境管理技術研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Imaging Probes Based on Bioluminescence and Fluorescence
  • セイブツ ハッコウ オヨビ ケイコウ ニ モトズク ブンシ イメージングプローブ ノ カイハツ

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抄録

最近の遺伝子工学の発展に伴い,遺伝子操作された蛍光発光タンパク質を標識として様々な融合タンパク質プローブが設計・合成され,リガンド活性計測等に応用されてきた.今日,生体・生細胞に適用できる分子イメージング技術は,生理活性を持つ小さい分子の同定から,タンパク質-タンパク質間結合,タンパク質の構造変化までの幅広い計測ニーズに対応できるものとして応用されている.本総合論文では,著者らが最近数年間成し遂げてきた生物発光イメージング研究を紹介する.例えば,転写因子の核内移行や細胞質内非ゲノム的なタンパク質-タンパク質間相互作用を,独自のタンパク質スプライシング法を用いて計測した.また,一つの分子内に,リガンドセンシングタンパク質と発光タンパク質を集積した形態の一分子型生物発光イメージングプローブを開発した.その後,このプローブをマルチカラー化して,複数の信号伝達過程を同時にイメージングできるように発展させた.更に,生物発光プローブそのもののリガンド感受性を高める手法として,円順列置換や小さい発光酵素を用いた分子設計技術を紹介する.本総合論文を通じて,多くの分析化学者の方にこの分野の面白さをぜひ分かって頂きたい.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 58 (6), 435-446, 2009

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (46)*注記

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