フェナザシリン含有ポリマーの合成と性質および樹脂の相容性評価剤への応用

  • 林 英樹
    名古屋市工業研究所材料化学部プラスチック材料研究室
  • 中尾 秀信
    物質・材料研究機構ナノマテリアル研究所ナノアーキテクチャーグループ
  • 飯田 浩史
    名古屋市工業研究所材料化学部プラスチック材料研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Preparation of Phenazasiline-Containing Polymer and Its Application as Functional Additive for Compatibility Estimation
  • フェナザシリン ガンユウ ポリマー ノ ゴウセイ ト セイシツ オヨビ ジュシ ノ ソウヨウセイ ヒョウカザイ エ ノ オウヨウ

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説明

ジフェニルアミンがケイ素ユニットで架橋されたフェナザシリンを主鎖に持つポリマー(PPhenazおよびPAR)のケイ素ユニットの架橋効果を調べるとともに,蛍光機能および樹脂の相容性を評価するための添加剤としての利用を試みた.ポリ(フェナザシリン)(PPhenaz)とポリ(ジフェニルアミン)の分光電気化学特性を比較したところ,架橋ケイ素ユニットはカチオン状態におけるN原子を通したベンゼン環同士の平面性に寄与することが分かった.また,フェナザシリン含有ポリマーの耐熱性の高さに着目し,PPhenazやPARの樹脂に機能を与える添加剤としての利用を検討した.PPhenazやPARをポリ乳酸やポリスチレンに0.001 phr加えた成形体は強い蛍光を示したことから,これらポリマーは樹脂に強い蛍光を与える添加剤として有効であることが分かった.また,PPhenazとPARを同時に樹脂に添加した効果を調べたところ,蛍光エネルギー移動(FRET)が起こることが確認された.更に,PPhenazとPARを加えた二種の樹脂に相容化剤(LTI)を加えて混練して作製した成型体の蛍光特性の違いを比較したところ,LTIのあるなしでFRETの挙動が変化した.この結果から,PPhenazとPARを同時に用いることにより,二種の樹脂を混練した場合の相容化の様子を調べるための方法を確立できた.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 60 (3), 215-222, 2011

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (50)*注記

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