疎水性基をもつポリアリルアミンの構造特性とその加水分解活性

書誌事項

タイトル別名
  • Structure and Hydrolysis Activity of Poly(allylamine)s Having Hydrophobic Groups

説明

活性な求核基(アミノ基)をもつポリアリルアミン(以下PAAと略記する)の側鎖に各種アルキル基およびベンジル基を導入し,そのエステル分解活性とポリマーのミクロ環境や配座との関連を調べた。両親媒性を示すこれらポリマーは,水溶液中でミセル状の分子形態をとり,疎水的ミクロドメィンを形成することがわかった。また疎水度の高い構造ほど界面活性能が増大することが認められた。N-オクチル化およびN-ベンジル化PAAは,ρ -ニトロフェニル=アセタートの加水分解をPAAにくらべいずれも促進し,置換度の増加とともにその効果は増大した。これは,ポリマー鎖がよりコンパクト化し,ミクロドメィンの環境も低極性になることから,疎水性相互作用による基質濃縮が容易になるためと考えられる。一方N-ドデシル化PAAは,置換度0.12でも疎水的環境を保持し,大きな加水分解速度を示した。しかしその触媒能は,E7値で55程度の極性と最小粘度をもつ置換度0.2で最大となり,それ以上では逆に低下する傾向がみられた。さらに,pHやエタノールあるいは塩添加などの外部因子によって反応場の特性が影響を受け,それにともなう活性の変化が観察された。

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