無修飾粘土鉱物を触媒とした2-フェニル-2-プロパノールの脱水,重合,環化反応

書誌事項

タイトル別名
  • Catalytic Dehydration, Dimerization, and Cyclization of 2-Phenyl-2DroDanol by Some Unmodified Clay Minerals
  • Catalytic dehydration, dimerization, and cyclization of 2-phenyl-2-propanol by some unmodified clay minerals.

抄録

層状粘土鉱物の層間に存在する交換牲陽イオンの酸触媒活性に関しては多くの班究例があるが,ここではほとんど研究例のない結晶表面,結晶端面の酸触媒としての機能を検討した。本研究では6種の粘土鉱物を選び,2-フェニル-2-プロパノールを反応試剤に用いて,粘土表面の脱水,重合,環化反応に関する触媒活性を調べた。その結果,反旛はクニピアF(モンモリロナイト)を除く5種の粘土鉱物上で進行することがわかった。反応速度には粘土鉱物間に大きな差異があり,最も速いものは雲南カオリン(管状ハロイサイト)であり,最も遅いものは,非晶質シリカーアルミナであった。また表面の触媒活性と比表面積問には相関性が認められなかった。さらにX線回折を用いて酸性白土(モンモリロナイト)および雲南カオリンにおける単位層間距離の変化を追跡したところ,この層間距離の変化と反応の進行度との問には相関性は認めら湛なかった.一方.これら2種の試料にリン酸を吸着させるとその触媒活性が失われるこを見いだした。以上の結果から・2-フェニル-2-プロパノールの脱水・重命環化反応にかかわる粘土鉱物の活性部位は,主に層間領域以外の部分,特に結晶端画に存在するものとして合理的に理解される。

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