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- 石井 裕子
- 武庫川女子大学家政学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Three Kinds of Calcium Oxalate Hydrates
説明
シュウ酸カルシウムは水溶液中で一般には一,二,または三水和物の混合物沈殿として生成する。高温では一水祁物のみが生成するが,本研究によれば少量のクエン酸あるいはリンゴ酸ナトリウムの共存の下で二水和物のみが生成し,やや多量のクエン酸またはリンゴ酸ナトリウムの共存の下で三水和物のみが生成した。シュウ酸カルシウムー水和物の溶解度は6×10-5M程度で二水和物および三水和物が一水和物よりやや大きい。一水漁物の溶解度は100℃ではわずかに大きくなった。シュウ酸カルシウムの一,二および三水和物沈殿の形態はそれぞれ長い六角形板状,八面体および平行四辺形板状である。二および三水和物は不安定で水中で約10分煮沸すると一水和物に転移した。シュウ酸カルシウムー水胸物沈殿の結晶核は誘導時間の測定からCa3(C2O4)3n・H2Oと推定できた。シュウ酸カルシウムー水和物および二水和物は植物の葉または茎に見いだされたものと沈殿粒子との形態を比較し,またX線回折によって同定できた。植物中のシュウ酸カルシウム結晶は極めて安定で一水和物に変化するには1時間以上煮沸することが必要であった。
収録刊行物
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- 日本化学会誌(化学と工業化学)
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日本化学会誌(化学と工業化学) 1991 (1), 63-70, 1991-01-10
公益社団法人 日本化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679334126976
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- NII論文ID
- 130004159456
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- COI
- 1:CAS:528:DyaK3MXhslOjtb4%3D
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- ISSN
- 21850925
- 03694577
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可