関節炎症状を伴ったG‐CSF産生肺腺癌の一切除例

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  • The case of a lung adenocarcinoma producing granulocyte-colony stimulating factor (G-CSF) accompanied by arthritis

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症例は62歳男性. 主訴は咳嗽および両手関節痛. 末梢血液検査上, 好中球優位の白血球増多を認めたため, 血清G-CSF値を測定したところ98pg/ml と上昇していた. また胸部X線像上, 右肺下葉に径5cmの腫瘤陰影を認め, 気管支鏡下細胞診にて腺癌と診断された. 諸検査にてc-T2N0M0 stage IBと診断し右肺下葉切除術および縦隔リンパ節郭清術を施行した. 病期はp-T2N1M0 stage IIBであった. 切除標本の抗rhG-CSF抗体を用いた免疫組織化学染色は陰性であったが, 術後白血球数, 血清G-CSF値は正常化し, 関節炎症状も消失したため, 臨床経過よりG-CSF産生肺癌と診断した. 術後経過は良好で術後9ヵ月経過も関節炎症状を含め再発を認めていない. G-CSF産生肺癌の報告は近年増加しており, 自験例を含め本邦報告例92例の考察を加え報告する.

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