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- 森村 尚登
- 東京都医師会救急委員会 救急相談センタープロトコール作成部会 東京消防庁救急相談センター運営協議会 帝京大学医学部附属病院救命救急センター
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- 櫻井 淳
- 東京都医師会救急委員会 救急相談センタープロトコール作成部会 日本大学医学部救急医学
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- 石川 秀樹
- 東京都医師会救急委員会 救急相談センタープロトコール作成部会 永寿総合病院外科
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- 武田 宗和
- 東京都医師会救急委員会 救急相談センタープロトコール作成部会 東京女子医科大学救命救急センター
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- 泉 裕之
- 東京都医師会救急委員会 救急相談センタープロトコール作成部会 板橋区医師会病院
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- 石原 哲
- 東京都医師会救急委員会 救急相談センタープロトコール作成部会 東京消防庁救急相談センター運営協議会 白鬚橋病院
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- 有賀 徹
- 東京消防庁救急相談センター運営協議会 昭和大学医学部救急医学
書誌事項
- タイトル別名
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- Introduction of medical protocol for emergency telephone consultation
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説明
背景:市民が傷病の緊急性を判断するにあたり医学的な観点で看護師及び医師が24時間体制で相談に応じ,救急車要請適応の判断や症状に応じた口頭指導や受診科目・医療機関情報を提供するため,2007年 6 月に救急相談センター(受付番号#7119,以下救急相談センター)が開設された。目的:本研究の目的は,緊急度判断のプロトコールに基づく電話救急医療相談の現状と課題について検討することである。方法:予測し得る相談対象者の主訴ごとに90のプロトコールを作成した。緊急度のカテゴリーは,(1)救急車要請を必要とする病態(赤),(2)救急車要請の必要はないと判断できるが,少なくとも1時間以内の緊急受診を必要とする病態(橙),(3)6 時間以内を目安とした早期受診を必要とする病態(黄),(4)当日ないし翌日日勤帯の病院受診を必要とする病態(緑)の 4 段階とした。開始後 3 か月間の交信記録を集積して検討した。結果: 3 か月間の相談件数6,549件中プロトコール使用率は75.7%で,小児の発熱,小児の頭頸部外傷,異物誤飲の順に使用頻度が高かった。プロトコールに従った緊急度判断は,赤 24.6%,橙 29.4%,黄 23.7%,緑 22.4%であった。諸因子を勘案して最終的に赤と判断した925例中救急車搬送は786例で,うち病院初診時重症度が判明した673例中の30.9%が緊急入院していた。結論:赤カテゴリー以外の判断は結果として救急車需要増加の対応に寄与したと考えられ,他方赤カテゴリーと判断した症例のうち緊急入院を要した症例が存在したことから,プロトコールに基づく緊急度判断が緊急性の高い患者の早期医療機関受診に寄与したといえる。プロトコール導入によって対応が標準化され,相談者の受診行動に影響を与えたと考えられるが,今後はデータ集積を継続し更なる検討が必要である。
収録刊行物
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- 日本救急医学会雑誌
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日本救急医学会雑誌 19 (9), 921-929, 2008
一般社団法人 日本救急医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679347003520
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- NII論文ID
- 130004542211
- 10027835829
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- NII書誌ID
- AN10284604
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- ISSN
- 18833772
- 0915924X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可