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- 本村 友一
- 日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
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- 益子 邦洋
- 日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
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- 本村 あゆみ
- 千葉大学大学院医学研究院法医学教室
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- 岩瀬 博太郎
- 千葉大学大学院医学研究院法医学教室
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- 織田 成人
- 千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学
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- 嶋村 文彦
- 千葉県救急医療センター外傷治療科
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- 森本 文雄
- 国保松戸市立病院救命救急センター
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- 中西 加寿也
- 成田赤十字病院救命救急センター
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- 北村 伸哉
- 君津中央病院救急・集中治療科
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- 金 弘
- 船橋市立医療センター救命救急センター
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- 岡本 健
- 順天堂大学浦安病院救命救急センター
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- 葛西 猛
- 亀田総合病院救命救急センター
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- 糟谷 美有紀
- 総合病院国保旭中央病院救命救急センター
書誌事項
- タイトル別名
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- The peer review about the traffic fatalities and investigation of preventable trauma death in Chiba prefecture in 2009
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説明
【はじめに】防ぎ得た外傷死(preventable trauma death: PTD)は,本邦の現在の救急医療システムで,なお高率に存在する。外傷傷病者対応の質の評価は,問題点の抽出と改善方法の模索のために重要である。【目的】平成21年千葉県内で発生した交通事故死亡全症例に関して,一連の救急活動の時間経過と質を評価しPTDの発生率と現システムの問題点を明らかにし,策を講じること。【方法】平成21年千葉県内で発生した交通事故死亡196例について警察,消防,医療機関にアンケート調査を施行した。救急隊接触時に生命徴候を認めた87例について,救急活動を時間とともに整理し,検証会を開催して症例を「PTD」,「PTD疑い」,「救命困難」に分類した。さらに「PTD」および「PTD疑い」の症例について問題点を明確にした。【結果】事故発生から医師診療まで平均44分18秒を要した。4例(4.6%)が「PTD」,12例(13.8%)が「PTD疑い」と判定され,計16例の死因は9例で体幹部の出血であった。うち6例は救命救急センターへ搬送されたが,輸血・手術・TAEの遅れ,過大侵襲手術が問題視された。残りの3例は病院前で重症判定されながら2次医療機関へ搬送され死亡した。計16例中6例は病院前評価でバイタルサインおよび意識レベルは良好であったが,2次医療機関初期選定または搬送後に死亡した。【考察】受傷から手術や処置までの時間が長いこと,病院前アンダートリアージ,救命救急センターでもPTDが発生していることが問題である。現状では事故発生早期の医師派遣システムの要請,重症判定時の高次医療機関選定および体幹部外傷でトリアージカテゴリーを上げること,医療資源と傷病者を集約する外傷センターシステムの確立が必要であると考えられた。【結論】PTD削減のためには,医師派遣システムの早期積極的利用,体幹部外傷でのトリアージカテゴリー繰り上げ,外傷センターシステムの確立が必要である。
収録刊行物
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- 日本救急医学会雑誌
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日本救急医学会雑誌 23 (9), 383-390, 2012
一般社団法人 日本救急医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679347468032
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- NII論文ID
- 130004542341
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- ISSN
- 18833772
- 0915924X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可