北太平洋域における10年規模の気候変動と海洋低次生態系の応答

  • 野口(相田)真希
    国立研究開発法人 海洋研究開発機構 地球環境観測研究開発セ ンター
  • 千葉 早苗
    国立研究開発法人 海洋研究開発機構 地球環境観測研究開発セ ンター
  • 田所 和明
    国立研究開発法人 水産研究・教育機構 東北区水産研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Response of lower trophic level ecosystems to decadal scale variation of climate system in the North Pacific Ocean
  • キタタイヘイヨウイキ ニ オケル 10ネン キボ ノ キコウ ヘンドウ ト カイヨウ テイジ セイタイケイ ノ オウトウ

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抄録

<p>北太平洋における10数年規模の気候変動に関連した海洋生態系の変化について,これまで多くの研究が行われてきた。その代表的な事例として,1976/77年に発生した気候シフトに関する研究が挙げられる。これらの研究では,観測や数値モデルによって,1976/77年に発生した気候シフトがプランクトンから魚類に至る海洋生態系に大きな影響を与えたことが示されている。また,ここ約半世紀の間,北太平洋の広域で表層の栄養塩濃度の減少トレンドも示しており,動植物プランクトンの生産への影響を示唆している。このように,海洋環境の変動に関連する海洋生態系の変化について多くの知見が得られている。一方,生態系構造には未だ不明な点が多く,物理環境-栄養塩-生態系に至る一連の変動プロセスについて定量的に理解することができていない。そこで本総説では,観測と数値モデルから得られた北太平洋域の一次生産者と動物プランクトンの10年規模変動を概説し,海洋生態系の変動メカニズムの解明のために今後の研究展開を提示する。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 27 (1), 43-57, 2018

    日本海洋学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (57)*注記

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