COD測定法における酸化力の比較 -COD(Cr)法とCOD(Mn)法 -

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Oxidizing Abilities of COD Measurement Methods COD(Cr) and COD(Mn) Methods

説明

標準酸化還元電位のみで判断するとCOD(Mn)法の方がCOD(Cr)法より強い酸化力を示すと考えられるが,実際には逆である。この一見矛盾した結果を調べるためJIS法に準じた実験条件下で,酸濃度,加熱温度,加熱時間などの諸因子を変え,安息香酸L-グルタミン酸,酒石酸および塩化物イオンを試料とし,COD(Cr)法とCOD(Mn)法の酸化力の比較を行った。JIS法と同一H+濃度18M(mol・dm-3)のCOD(Cr)法が最も強い酸化分解力を示したが,H+濃度2.4MではCOD(Cr)法は同一H+濃度のCOD(Mn)法よりはるかに弱い酸化分解力を示した。H+濃度2.4MのCOD(Mn)法と同じ酸化力をCOD(Cr)法で与えるためには約10MのH+濃度を要した。クロム法の場合,加熱温度の効果は単純で温度が高いほど,試料の酸化分解率も高かったが,マンガン法では長時間加熱すると酸化剤自身が分解する傾向が見られ,酸化分解率に極大値が得られた。式量(酸化還元)電位の実験値と計算値により両COD法の実際の酸化力の差異がほぼ説明できた。

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