無機イオン交換体のアルカリ金属イオン選択性に及ぼす固体内水和現象の効果 固体NMRによる検証

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  • Solid Phase Hydration Effect on the Selectivity of Alkali Metal Ions for Inorganic Ion Exchangers-Solid State NMR Study-
  • ムキ イオン コウカンタイ ノ アルカリ キンゾク イオン センタクセイ ニ
  • Solid Phase Hydration Effect on the Selectivity of Alkali Metal lons for Inorganic lon Exchangers. Solid State NMR Study.

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抄録

有機イオン交換樹脂などにくらべ選択性の高い無機イオン交換体について,結晶中に取り込まれた金属イオンの水和現象に着目し,固体NMRにより4種のイオン交換反応の機構について検討を行った。イオン交換体としてリチウムイオン選択牲の高いアンチモン酸チタンおよびアンチモン酸スズについて1H,7Li,23NaのNMR測定を行った結果,交換体中に2ケ所のイナン交換部位が存在し,そのうち一方の部位にはリチウムイオンが脱水和して吸着し,この部位がリチウムイオン選択性の高いことを見いだした。次に単斜晶系アンチモン酸および立方晶系ニオブ酸のリチウムイオン交換反応について1H,7LiのNMRスペクトル測定を行った結果,吸着部位の空間が小さいことおよびLi+(酸処理)→H+(イオン交換)→Li+のイオン交換過程でニオブ酸が酸処理前のリチウムイオンの情報を記憶している効果(イオン記憶)の二つの理由で,この交換体ではリチウムイオンが脱水和して高選択的に吸着されることが明らかにされた。さらに立方晶モリブデン酸アンモニウムのイオン交換反応を1H-NMR測定により検討した結果,この交換体にはプ質トンと交換可能な比較的フレキシブルな部位(25%)およびカリウムイオンに選択性が高く,プロトンは吸着できない部位(75%)の2種が存在することが明らかにされた。カリウムイオンの選択性は水溶液中のイオンの水和現象からの類推から,この交換体中にはイオンは水和した状態で吸着し,このことが選択姓の高い原因であることが明らかにされた。

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参考文献 (26)*注記

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