層状三リン酸二水素アルミニウムへのアルキルアミンおよびアニリンのインターカレーション

書誌事項

タイトル別名
  • Intercalation of Monoalkylamines and Aniline into Layered Aluminium Dihydrogentriphosphate

説明

層状三リン酸二水素アルミニウムニ水科物AIH2P3O・2H20(ADHPと略記する)へのモノアルキルアミンおよびアニリンのインターカレーションについて,粉末X線回折法,示差熱重量分析法(DTA,TG)およびIRスペクトル法を用いて検討した。<BR>モノアルキルアミンの炭素数とADHPへのそれらのインターカレート化合物の層間距離との間には直線関係があり,その勾配は2.1であった。このことはアルキルアミンがADHPの層間に約56℃ の傾きでインターカレートされ,bilayer構造を形成していることを示している。一方,ADHPへのアニリンのインターカレーションにより,ADHPの層間距離(d=7.9A)は18.8Aまで広がった。<BR>ADHPへのモノアルキルアミンのインターカレーションの容易さを比較すると,オクチルアミン(C8)およびデシルアミン(C10)のような比較的炭素数の大きいアミンの方が,炭素数の小さい(C1~C4)あるいは炭素数が12以上のアミンよりもインターカレート化合物をつくりやすい傾向があった。炭素数が3(プロピルアミン)よりも小さいアルキルアミンのインターカレート化合物をリン酸で処理(洗浄)すると,層間中のアルキルアミンが除かれ,原料のADHPへ戻った。ところが炭素数が6(ヘキシルアミン)以上のアルキルアミンおよびアニリンのインターカレート化合物は擾水性が強く,水面上に浮くようになる。<BR>DTAの結果から,アルキルアミンやアニリンはADHPの層間に強く保持され,それらの沸点以上で加熱しても安定で,350℃ 付近から熱分解が始まった。

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被引用文献 (2)*注記

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