反跳インプランテーションによるテクネチウムなどの新物質の合成とその生成機構

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タイトル別名
  • Synthesis of New Chemical Compounds Recoil Implantation and Its Reaction Mechanisms
  • ハンチョウ インプランテーション ニ ヨル テクネチウム ナド ノ シン ブッ

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反跳インプランテーションによる化学反応は新物質の合成に応用できるが,本研究ではその機構に関するいくつかの新事実を見いだした。β-ジケトン錯体混合系をとり上げ,原子炉照射,電子直線加速器照射,サイクロトロン照射により,(n,γ),(γ,n),(d,)反応による5℃反跳原子をインプランテーションした。[Fe(acac)3HFe(dpm)3]に対する5Crのサイクロトロン反跳インプランテーションでは[5℃r(acac)(dpm)3=0~3]の化学種が得られ,反跳置換型の生成物[5℃r(acac)3]と[51Cr(dprn)3]は引き抜き型の生成物よりもずっと多く,反跳置換反応が引き抜き反応よりも重要であることを示した。これはR6sslerのレニウム化合物における結論と逆である。また[Cf(dpm)3]/[5℃(acac)3]の生成比は[Fe(dpm)3]/[Fe(acac)3]1の場合でも1よりもずっと大きく,またユネルギー依存性を示し,ビリヤード球模型では説明されない。また[Cr(acac)3][Fe(dn)3]と[Cr,(dpm)3HFe(acac)3]混合系を用い,51Crによる鉄原子の反跳置換を調べたところ,反跳置換反応にしきいエネルギーが存在することを示す結果を得た。従来この辺の知見はまったく失けており反跳インプランテーションの有用性が明らかになった。

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