フッ化黒鉛の熱分解残留炭素の構造と再フッ素化過程

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  • The Structure and Refluorination of Residual Carbon Prepared by Thermal Decomposition of Graphite Fluoride
  • ふっ化黒鉛の熱分解残留炭素の構造と再ふっ素化過程

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説明

フッ化黒鉛の熱分解によって得られる残留炭素の構造を,X線回折,ラマンスペクトル,空気酸化にともなうDTA,TG曲線の変化により検討した。また,そのフッ素化過程について詳細に検討した。残留炭素の構造は,L002から判断すれば無定形炭素に属するといえる。一方,X線回折の2θ40℃以上のr101,h101回折の存在や,ラマンスペクトルの結果によれば残留炭素中の各層の炭素原子の多くは,六角網目を構成しいくぶん三次元的構造を残していることが示唆される。しかしながら,各層の積み重なりは乱雑である。残留炭素のフッ素化過程において,250℃という低温においてもフッ素と炭素の反応が律速であることがわかった。残留炭素から得られたフッ化黒鉛は,黒鉛から生成したものより結晶性に富み,熱安定性もよく,高いフッ素含有率をもつ。生成するフッ化黒鉛の結晶性を規定するものは,出発炭素の結晶性というよりむしろ大きな網平面であるといえる。そこで,結晶性にすぐれたフッ化黒鉛を得るには,残留炭素のように大きな網平面をもち,むしろそれらが乱雑に積み重なっている方が有利である。

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