1-フェニルエチルカチオンの気相安定性における置換基効果

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  • Substituent Effect on the Stability of 1-Phenylethyl Cation in the Gas Phase
  • 1 フェニルエチル カチオン ノ キソウ アンテイセイ ニ オケル チカンキ

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抄録

m-,p-置換スチレンの気相塩基性度をプロトン移動平衡に基づき,ICR質量分析計を使用して決定した。その置換基効果はLArSR式により相関でき,ρ=-13.6,γ=1.14が得られた。1.0より大きい共鳴要求度はα-クミルカチオンに比較しで1-フェニルエチルカチオンの低い安定性に起因すると解釈された。この結果は安定性の大幅に異なる一連のベンジル位カルボカチオンに対して得られたr値の挙動に一致した。系によるr値の変動はLArSR式に導入した共鳴要求度の概念の妥当性を示す重要な証拠となる。さらにユーフェニルエチルカチオンのr値は1-フェニルエチル塩化物のソルボリシスの値に一致することが見いだされた。プ値の一致は,カルボカチオソ中間体と律速遷移状態におけるπ-電子非局在化がきわめて近いことを示唆する。この結果はソルボリシスのr=L15が溶媒の求核攻撃にモよる機構変動に起因する統計上の所産でなく,明らかに遷移状態あるいは1-フェニルエチルカチオン中間体の構造を反映したこの系に固有の値であることを示す。

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