ゼラチンの塩酸加水分解による分子量分布の変化と分解機構

書誌事項

タイトル別名
  • The Molecular Weight Distribution and the Hydrolysis Mechanism of Gelatin by Dilute Hydrochloric Acid

この論文をさがす

説明

ゼラチンの酸による加水分解はその速度論についてはくわしく検討されているが,生成物の分子量分布についての研究はほとんどなされていない。著者らはゼラチンを比較的穏やかな条件で酸加水分解してその生成物の分子量分布をゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)により測定した。α およびβ ゼラチンの光散乱法で求めた分子量,プルランの公称分子量,ペプチドの超遠心沈降平衡法で求めた分子量などを用いて検量線を作成したところ,検量線は10万-3000の分子量範囲では1本の直線にのった。αゼラチンに富む骨ゼラチンの1%溶液を50-70℃ の一定温度で0 .1M壇酸で処理した。加水分解生成物の分子量分布をGPCにより測定した。求められた分子量分布は桜田。岡村により導かれた単分散の線状ポリマーの無秩序な切断モデルによる分布とほぼ一致するとみなされた。このことからゼラチンの加水分解は見かけ上ペプチド鎖の無秩序な切断によって進行すると考えられる。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ