酸化バナジウム(V)系触媒上での一酸化窒素のアンモニア還元反応におけるバナジウムの酸化状態およびチタニアの効果

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  • Oxidation State of Vanadium and Role of Titania as the Support for Catalytic Reduction of Nitrogen Monoxide with Ammonia

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一酸化窒素のアンモニア還元反応における酸化バナジウム(V)触媒の作用機構および担体の効果,とくにチタニアの効果を明らかにすることを目的とし,通常,還元および酸化の各条件における各種担体上のバナジウム酸化数変化についてESR法を用いて検討した。担体にはシリカゲル,チタニアおよび少量のチタニアで予備処理したシリカゲルを用いた。活性物質のバナジウムは反応中一酸化窒素とアンモニアによって5価から4価に還元され,また酸素によって4価から5価に再酸化されるいわゆるレドックス機構で触媒作用を示すことが判明した。触媒中に存在するバナジウム種には5価で安定なもの,4価で安定なものおよび4価と5価の問を往復するものがあった。このうち4価と5価の間を往復するものが目的の接触反応に関与し得るバナジウム種であると考えられた.接触反応に関与し得るバナジウム種の量,およびその酸化還元反応性は担体によって大きく異なった。チタニア担持触媒の場合に接触反応に関与し得るバナジウム種の量がもっとも多く,また再酸化の速度も大であった。シリカゲル担持の触媒では接触反応に関与し得るバナジウム種の量が少なく,また再酸化の速度も小さかった。チタニアを用いるシリカゲル担体の予備処理による活性促進効果は,酸化バナジウム(V)をその上に担持した場合に接触反応に関与し得るバナジウムの量を増し,また再酸化速度を向上させることに基づくものであることが明らかとなった。

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