高い親水性をもつスピン標識クラウンエーテルの金属イオン抽出機構

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  • ESR Characterization on Alkaline Metal Extraction by Using Crown Ether System Spin-Labeled with Nitroxide Radical
  • タカイ シン スイセイ オ モツ スピン ヒョウシキ クラウンエーテル ノ キ

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抄録

分子認識の重要な機構の一つであるイオン抽出をスピン標識したクラウンエーテルを用いて研究した。スピン標識クラウンエーテルを使用すると,イオンキャリヤーの水相-有機相間における動的挙動をESR測定により正確に追跡することができる。本研究で新たに合成したニトロキシドラジカルクラウンエーテルは高い親水性と疎水性を合わせもつ機能性クラウンエーテルである。水相-有機相間におけるニトロキシドクラウンエーテルの分配率を定量的なESR測定から評価するとともに,二相系におけるK-ピクラート塩抽出平衡定数を算出した。従来の研究では無視されていたクラウンエーテルの分配率を考慮して二トロキシドクラウンエーテルの抽出平衡定数を算出すると, その値は疎水的クラウンエーテルを上回わることが認められた。二相系におけるイオン紬出にはクラウンエーテルの親水性が重要な作用をもつことが経験的に提唱されている。本研究はクラウンエーテルの親水性をESR測定から数値化した上で,イオン抽出におよぼす効果を議論した最初の研究例である。

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