光合成分子機構への計測化学的アプローチ —光化学系コアに存在する特異なクロロフィル類の検出—

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タイトル別名
  • Chemical Analytical Approach to the Molecular Machinery of Photosynthesis —Quest for Exotic Chlorophylls in the Reaction Centers—
  • 光合成分子機構への計測化学的アプローチ--光化学系コアに存在する特異なクロロフィル類の検出
  • コウゴウセイ ブンシ キコウ エ ノ ケイソク カガクテキ アプローチ コウカガクケイ コア ニ ソンザイ スル トクイ ナ クロロフィルルイ ノ ケンシュツ
  • Chemical Analytical Approach to the Molecular Machinery of Photosynthesis. Quest for Exotic Chlorophylls in the Reaction Centers.

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説明

光合成の初期過程で光→電子エネルギー変換を駆動する光化学系コア(反応中心)の分子構築につき,クロロフィル(Chl)類の分子変性を極小にできる抽出 · 分析手法とさまざまな分光計測を用いて検討した結果,酸素発生型光合成生物(高等植物 · 藻類 · ラン藻)の光化学系Iコアには1分子のChl a′(多量色素Chl aのC132-エピマー)が存在し,反応中心P700の必須部品となっていることを確認した.そのほか,嫌気性の光合成細菌Heliobacterium chlorumHeliobacillus mobilisの反応中心を構成するそれぞれ2分子のバクテリオクロロフィル(BChl)g′と81–OH–Chl a,緑色硫黄細菌Chlorobium tepidumの反応中心に存在する2分子のBChl a′,ホヤと共生する海産の酸素発生型原核藻類Acaryochloris marinaの反応中心を構成すると考えられるChl d′を初めて検出するとともに,緑色硫黄細菌の一次電子受容体であるBChl 663と,酸性環境に生息する光合成細菌Acidiphilium rubrumの持つZn–BChl aの構造を決定した.これら新規な微量機能色素の発見 · 同定は,光合成分子機構の議論進展に資すると考えられる.

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参考文献 (116)*注記

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