書誌事項
- タイトル別名
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- Reaction Products of 1, 4-Naphthoquinone and 2-Methyl-1, 4-naphthoquinone with Sodium Sulfitet
- p‐ベンゾキノン類と亜硫酸ナトリウムとの反応機構と両者の酸化還元電位との関係 V 1,4‐ナフトキノンまたは2‐メチル‐1,4‐ナフトキノンと亜硫酸ナトリウムの反応生成物
説明
1,4-ナフトキノン(NQ)と亜硫酸ナトリウムとの反感(NQ-Na2SO3)および2-メチル-1,4-ナフトキノン(MNQ)と亜硫酸ナトリウムとの反応(MNQ-Na2S03)について,両者の酸化還元電位の比較をもとに検討した。1,4-ナフトキノンおよび2-メチル-1,4-ナフトキノンの酸化還元電位(ENQおよびEMNQ)が,亜硫酸ナトリウムの酸化電位(Ess)より,より卑(ΔE=ENQ(またはEMNQ)-Ess<0)にあるため,酸化還元反応((1)式)の進行はほとんど認められない。NQ(またはMNQ)+HSO3-+H2O=NH2Q(またはMNH2Q)+SO42-+H+ (1) (NH2Q:1,4-ナフタレンジオール,MNH2Q:2-メチル-1,4-ナフタレンジオール)また,1,4-ジヒドロキシナフタレンスルホン酸塩類を生じる付加反応((2)式)も,従来試みたp-ベンゾキノン類と亜硫酸ナトリウムとの反応系 p-ベンゾキノン類の酸化還元電位(EpQ)はEssより,より貴にある-での,ヒドロキノンスルホン酸塩類を生じる付加反応にくらべて遅い。NQ(または,MNQ)+HSO3-=NH2QS-(またはMNH2QS-) (2) (NH2QS:1,4-ジヒドロキシナフタレンスルホン酸塩,MNH2QS:2-メチル-1,4-ジヒドロキシ-3-ナフタレンスルホン酸塩)さらに,NQ-Na2SO3系では,1,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンスルホン酸塩が生じることを推測し,MNQ-Na2SO3系では,2-メチル-1,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンスルホン酸塩が生じることを確認した。2-メチル-1,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンスルホン酸塩の構造解明は,トリメチル-p-ベンゾキノンと亜硫酸ナトリウムとの反応系で,1,3,4-トリメチル-2,5-ジオキソ-3-シクロヘキセン-1-スルホン酸塩の生成を推測したさきの報告の正しいことを示した。
収録刊行物
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- 日本化学会誌(化学と工業化学)
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日本化学会誌(化学と工業化学) 1980 (1), 53-57, 1980-01-10
公益社団法人 日本化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679366586880
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- NII論文ID
- 130004156529
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- ISSN
- 21850925
- 03694577
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可