液相不均一系触媒反応に対ずる圧力効果アルミナ触媒上でのα-D-グルコース変旋光反応

書誌事項

タイトル別名
  • Pressure Effects upon Heterogeneous Liquid Phase Catalysis -Mutarotation of α-D-Glucose over an Alumina Catalyst-
  • Pressure effects upon heterogeneous liquid phase catalysis - Mutarotation of .ALPHA.-D-glucose over an alumina catalyst.

抄録

アルミナ触媒によるα-D-グルコースのβ-D-グルコースへの異性化反応速度におよぼす圧力の影響を解明するために, つぎの条件で実験を行ない, その結果を解析した。温度 40±0.1℃, 圧力 0.1~90MPa, α-D-グルコース初濃度 2.8~12×10-2mol/dm3。<BR>実験の結果, 高圧下においては, 反応速度は常圧下におけるそれよりも遅くなることがわかった。しかし, 反応速度は常圧下の場合と同様, 表面反応を律速段階として導いた速度式でよく表現でき, 諸動力学定数とその圧力依存性を評緬できた。<BR>α-D-グルコース吸着平衡定数 Ka およびβ-D-グルコース吸着平衡定数 Kp は, 圧力によりあまり大きな影響を受けなかった。これは, グルコースの吸着にあたり, 活性点に束縛されている溶媒分子の離脱が生じ, 吸着にともなう体積減少を補うためと考えた。<BR>また, 表面正反応の活性化体積としてΔV1=22±4cm3/mol, 逆反応の活姓化体積として, ΔV2=20±3cm3/mol を得た。この正の活性化体積を説明するため, 律速段階におけるグルコース分子の変化過程を考察し, 遷移状態はアルデヒド基の回転が可能な程度に脱溶媒和した状態であろうと推論した。

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