アルギン酸水溶液のMg2+イオンによるゲル化に及ぼすマンヌロン酸/グルロン酸比の影響

書誌事項

タイトル別名
  • The Effect of Mannuronic Acid/Guluronic Acid Ratio on Gelation by Mg2+ Ions of Alginate Aqueous Solution

説明

アルギン酸は,β-1,4結合したD-マンヌロン酸(以下Mと略す)とα-1,4結合したL-グルロン酸(以下Gと略す)から構成される酸性高分子多糖である。アルギン酸ナトリウム水溶液は,適当な二価金属イオンを添加するとゲル化することが知られている。しかしながら,ゲル化に及ぼすアルギン酸分子中のM/G比の影響は明らかでない。本研究では,その影響をレオロジー測定,小角X線散乱(SAXS)測定を通して研究した。レオロジー測定は,10wt%アルギン酸ナトリウム水溶液に種々の濃度で塩化マグネシウムを添加した系について,円錐-円板型レオメーターを用いて行った。SAXS測定は,X線波長=1.542Å(CuKα 線)で行った。測定温度は,ともに25℃である。G成分に富んだ試料溶液は,M成分に富んだ試料溶液よりも少ない塩化マグネシウムの添加塩量でゲル化する。これは,G成分に富んだ試料がM成分に富んだ試料よりも,Mg2+に対して親和性が高いためによる。本研究で形成されたゲルは,ゲル化点でフラクタル次元1.45のマスフラクタル構造を有することが明らかにされた。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ