水溶液中の尿素に対する陽イオン交換樹脂の吸着性能の検討

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  • Adsorptive Activity of Cation-exchange Resins for Urea in Aqueous Solutions

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説明

水溶液中の尿素を吸着除去するために,種々め吸着剤を用いて吸着活性を比較検討した。その結果,強酸性陽イオン交換樹脂がもっとも高い吸着活性を示した。また,同様な官能基をもつスルホン化 p-ビニルフェノールとジビニルベンゼン(p-Vp-DVB)系コポリマーも比較的高い尿素吸着活性を示した。これらの試料のイオン交換容量と尿素吸着量の間には相関関係がみられた。このことから,吸着にはスルホン酸基が関与する可能性が高い。<BR>尿素の強酸性陽イオン交換樹脂に対する吸着等温線から得られた吸着熱が,尿素初期濃度35.7mmol.l-1のときに12.5kJ.mmolとなった。この事実と,樹脂が尿素を取り込むときに水素イオンをほとんど放出しないことから,尿素は陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の極性化された水素に結合すると推察された。この推察は赤外吸収スペクトルの結果によっても支持された。<BR>陽イオンが共存する場合には,樹脂のスルホン酸基が陽イオンを交換するため,尿素吸着量は減少する。しかし,陽イオンと尿素の樹脂への取り込まれ方は異なるので,共存する場合,吸着および交換はほぼ同時に進行すると考えられる。

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