外因光キャリヤー発生型の有機感光体における感度向上とその機構

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タイトル別名
  • Enhancement of Photosensitivity and Its Mechanism in an Extrinsic-Photocarrier-Generation-Type Organic Photoreceptor
  • ガイイン ヒカリ キャリヤー ハッセイガタ ノ ユウキ カンコウタイ ニ オケ
  • Studies on Carrier Photogeneration Mechanism and Its Control of Organic Photoconductors. Part 3. Enhancement of Photosensitivity and Its Mechanism in an Extrinsic-Photocarrier-Generation-Type Organic Photoreceptor.

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抄録

近赤外域に感度を有するトリフェニルアミン骨格を有するトリスアゾ顔料を電荷発生層(CGL)に用いた積層感光体の高感度化について検討した.電荷発生材(CGM)と電荷輸送材(CTM)間で外因型の光キャリヤー発生を生ずる電子移動反応サイトの数の向上に着目して研究した.CGM粒子上のCGM数を増加させる目的から,トリスアゾ顔料粒子の分散に関する検討を行った結果,40℃ で258時間分散したCGL塗工液を用いた積層感光体の量子効率が,従来の常温分散した場合に比べ2.1倍も高感度化することを見いだした.この高感度化した感光体の量子効率は,電界強度3×107Vm-1において0.8であった.この値は,半導体レーザー光に対し現在最高水準の感度を示すチタニルフタロシアニンを用いた積層感光体のそれと同じであった.高感度化したアゾ顔料粒子を,X線回折,吸収スペクトル,電場変調吸収スペクトルおよびTEM写真により調べた結果,一次粒子の大きさが不揃いであるため,二次粒子は空げきを多く抱えていることがわかった.積層感光体においては,電荷輸送層塗工によりCTMはCGLだけでなく二次粒子の内部にまでしみ込み,多数のキャリヤー発生サイトをCGL内に形成する.以上のように,光キャリヤー発生を生ずる外因型の電子移動サイト数の増加に基づき,最高水準の高感度感光体をトリスアゾ顔料で達成できた.

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参考文献 (21)*注記

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