環状共役エノンおよびヘテロ環状共役ジエノン体の光付加環化反応における基質特異性および配向選択性等のフロンティアMO法による解析
書誌事項
- タイトル別名
-
- Species Specificity and Regio-selectivities in the Photocycloadditions of Cyclic Conjugated Enones and Heterocyclic Conjugated Dienones, and Their Frontier MO Analysis
- カンジョウ キョウヤク エノン オヨビ ヘテロ カンジョウ キョウヤク ジエノンタイ ノ ヒカリ フカカンカ ハンノウ ニ オケル キシツ トクイセイ オヨビ ハイコウ センタクセイ トウ ノ フロンティア MOホウ ニ ヨル カイセキ
この論文をさがす
説明
環状共役エノン類およびジエノン類の光付加環化における基質特異性と配向選択性等の現象を,PM3-CI法によるフロンティア分子軌道(FMO)法を用いて解析し,それらの支配要因を明らかにした。まず,2-ピロン類は,電子求引性または電子供与性アルケンと三重項反応を起こすが,その周辺([2+2]または[4+2]),位置(3,4-または5,6-付加)および配向(hhまたはht)選択性は,初期過程での位置·配向選択性を決める3-βまたは6-β間2中心FMO相互作用と,生成したビラジカル中間体のFMO作用による周辺選択的閉環反応に依存する。<BR>2-ピリドン類の電子求引性アルケンとの間の励起一重項または三重項での配向,位置および立体選択的[2+2]付加環化には,静電作用に加え前者で4中心のFMO作用,後者で2中心FMO作用が支配要因となる。これらのFMO法を最近問題となっている2-シクロヘキセノンや2-シクロペンテノン等のエノン体の環化反応の配向解析にも適用した。その三重項反応の配向選択性は主に初期過程のFMO作用に支配されるが,シクロペンテノンの場合ビラジカル中間体のFMOの影響が相対的に大きくht体を生成しやすくなると推定される。<BR>これら環状共役エノンとジエノンの光付加環化における基質特異性と配向位置および周辺選択性の関係がそのFMOの性質から説明できる。
収録刊行物
-
- 日本化学会誌(化学と工業化学)
-
日本化学会誌(化学と工業化学) 2000 (3), 167-178, 2000
公益社団法人 日本化学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679367061376
-
- NII論文ID
- 130004053914
- 10004687792
-
- NII書誌ID
- AN00186595
-
- COI
- 1:CAS:528:DC%2BD3cXhvVyqsr8%3D
-
- ISSN
- 21850925
- 03694577
-
- NDL書誌ID
- 5304182
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可