アサリ貝殻に含まれる鉄,アルミニウムおよびチタン

書誌事項

タイトル別名
  • Iron, Aluminium and Titanium in Shells of Short-necked Clams
  • 貝殻中の微量元素 I  アサリ貝殻に含まれる鉄,アルミニウムおよびチタン

抄録

長崎県周辺の海岸すなわち橘湾,有明海および大村湾などに面した7箇所の海岸から採取したアサリの貝殻(各地ともそれぞれ15~20例)中のカルシウム,鉄,アルミニウムおよびチタンの定量を行ない,その含量および含量比が貝殻個体または採取地および肥大度の相違によりどのように変動するかを検討した。鉄17~230ppm,アルミニウム20~230ppm,チタン2.0~12ppm,カルシウムは36.5~38.3%であった。同一採取地の貝殻中の微量元素含量には,3~4倍の個体差が認められ,また採取地ごとの各元素含量の平均値には2~3倍の変動が認められた。貝殻の大小による含量の差異はほとんど認められない。大村湾産の貝は概してこれらの微量元素は少なく,有明海産の貝では比較的多量に含まれていた。各元素相互の関係では,鉄含量め増加にともなってアルミニウムやチタン含量が増加する正の相関が認められた。また,海水中の元素含量に対する貝殻中の元素含量の比を濃縮係数として求めると,銑,アルミニウムおよびチタンは,おのおの7700,8600,5900でありカルシウム(940)より6~9倍高い値であった。

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