サブボイリング蒸留による分析試薬の精製と精製物中の重金属の同位体希釈表面電離質量分析法

書誌事項

タイトル別名
  • Purification of Analytical Reagents by Sub-boiling Distillation and Isotope Dilution Surface Ionization Mass Spectrometry for Heavy Metals in Purified Materials

この論文をさがす

説明

水や液体試薬などを, 沸騰点以下の温度で加温して蒸気を発生させ, 冷却捕集することによって不純物の少い精製物が得られることを既報で報告した。しかし微量ではあるが重金属が認められたので, その除去を目的として石英素材を用いてサブボイリング装置を製作した。その設評にあたってはなるべく蒸発面積を広くすることと, 構造を単純なものとすることを基本条件とした。重金属の定量は同位体希釈表面電離質量分析法によって行ない, 原料と精製物の銀, カドミウム,銅, ニッケル, 鉛, タリウム, 亜鉛を定量して精製効果を検討した。この方法の検出賑界は 10-11g・kg-1である。銀, カドミウム, 銅, 鉛, タリウムは検出限界以下の純度にすることができたが, ニッケルと亜鉛はクリーン実験室の建材に用いた不銹鋼からと考えられる汚染が認められた。サブボイリング蒸留法によってロ過法そのほかの各種精製法に比較して, 重金属濃度のもっとも低い超純水を得ることができたと考えられるが, 欠点は精製速度が低いことで今後その改良が必要である。超純水や超高純度試薬の需要に対応するためには, サブボイリング装置の設計や材輩の改善・蒸留環境ならびに精製物貯蔵の検討が重要である。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ