難治性側頭葉てんかんを伴う側頭葉内側部神経膠腫に対する手術戦略

  • 佐々木 重嘉
    東京都立神経病院脳神経外科・てんかん総合治療センター
  • 森野 道晴
    東京都立神経病院脳神経外科・てんかん総合治療センター

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Strategy for Mesial Temporal Glioma with Intractable Temporal Lobe Epilepsy

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抄録

<p> 側頭葉内側部神経膠腫の手術戦略においては, 腫瘍そのものの摘出とともに合併するてんかん発作のコントロールが重要で, さらに高次脳機能の温存も望ましい. Transsylvian cisternal & ventricular approach (TSCV) はtranssylvian selective amygdalohippocampectomy (TSA) を応用した手術法で, 経シルビウス裂で側脳室下角および脳槽からアプローチすることで側頭葉外側皮質を温存し, 腫瘍を正確に摘出して海馬や海馬傍回などのてんかん原性域の摘出を行える. TSCVを施行した側頭葉内側部神経膠腫26症例で, てんかん発作消失率は92%と良好であり, 術後の記銘力およびIQの有意な低下を認めず, 高次脳機能を温存できた. 難治性てんかんを伴う側頭葉内側部神経膠腫に対するTSCVによる腫瘍およびてんかん原性域のpure lesionectomyは高次脳機能温存に有用である.</p>

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参考文献 (41)*注記

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