第四脳室と橋・延髄の解剖と外科治療(<特集>脳室・脳幹病変の外科治療)

DOI Web Site 参考文献22件 オープンアクセス
  • 斉藤 延人
    東京大学大学院医学系研究科脳神経外科学
  • 金 太一
    東京大学大学院医学系研究科脳神経外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Surgery and Anatomy of the 4th Ventricle and the Brainstem(<SPECIAL ISSUE>Surgical Approach for Ventricular and Brain Stem Lesion)

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説明

第四脳室と橋・延髄下半分の病変には,髄芽腫,脳室上衣腫,星細胞腫,脈絡叢乳頭腫,脳幹海綿状血管腫,血管芽腫,外向発育性グリオーマなどがある.第四脳室を露出するには小脳延髄裂アプローチが有用である.小脳扁桃の裏で延髄に付着している脈絡膜と脈絡紐を切開して小脳扁桃を牽引する方法である.脳幹内部へは,病変が最も表面に近い部分から進入するのが基本である.第四脳室底には正中溝,閂,第四脳室線条,外側陥凹,顔面神経丘などの構造が同定できる.顔面神経丘の直下には外転神経核や顔面神経がある.これらの機能を温存するために,suprafacial triangle approachとinfrafacial triangle approachが有用である.一方で,第四脳室線条より尾側には,舌下神経核,迷走神経背側核,孤束核など重要な神経核が密集しているので,心停止や嘸下障害に備える必要がある.また,橋延髄の前側方へのアプローチにはanterior transpetrosal approachがよい.脳幹海綿状血管腫の手術症例を基に,これらのアプローチを示した.

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参考文献 (22)*注記

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