側頭葉内側の動脈と手術における留意点(<特集>側頭葉とその周辺の解剖と手術I-第25回微小脳神経外科解剖セミナー合同セッションより-)

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  • Medial Temporal Vasculature and Surgical Tips for Medial Temporal Microsurgery(<SPECIAL ISSUES>Anatomy and Operation of the Temporal Lobe and its Vicinity I)

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抄録

てんかんや脳腫瘍など側頭葉内側病変に対する手術では,側頭葉内側血管系の理解が重要である.前脈絡叢動脈は鉤上部表面に沿って後走し脈絡叢に入る.その脳槽部から分岐する鉤枝は鉤溝に入り海馬動脈と吻合する.重要な穿通枝である内包視床動脈は脈絡叢に入る直前または直後で分岐する.鉤切除の際は,軟膜下に進めれば前脈絡叢動脈損傷のリスクは少ないが,後方では脈絡叢の内側を走行する穿通枝に注意が必要である.また,上外側のごく近傍をレンズ核線条体動脈が走行することに留意する必要がある.後大脳動脈から分岐して側頭葉内側に入る枝には,海馬動脈,外側後脈絡叢動脈,下側頭動脈がある.各々,海馬溝や脳采歯状回溝へ,脈絡裂から脈絡叢へ,海馬傍回を越え側副溝へと走行する.海馬切除の際は,海馬溝を開いて海馬動脈を溝のなるべく外側で軟膜と一緒に切離する方法が安全と思われる.

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