若年者に対するProfessional Tooth Cleaning Instruction (PTCI) による口腔清掃効果

  • 米田 栄吉
    東北大学大学院歯学研究科総合歯科診療部
  • 眞柳 弦
    東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学分野
  • 伊川 桂次
    東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学分野
  • 国井 亮太郎
    東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy of Oral Hygiene by Professional Tooth Cleaning Instruction (PTCI) in Adolescents

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抄録

10歳代における初期の歯周疾患進行を阻止するため, Professional Tooth Cleaning Instruction (PTCI) を行い, その効果を評価した。平成12年から平成15年まで, 女子中学・高校の歯科検診において生徒全員のCPIを測定した。Index Teeth 6歯のTotal CPIスコアが10-14の生徒を抽出し, PTCIの対象者とした (平成13年は39名, 平成14年は26名)。対象者に対して, Index Teethの歯周ポケット深さを測定した。5分間, 各自の方法で自由にブラッシングを行わせた後にO'LearyのPCRを記録した。次に歯科医師によりDent EX slim head#33とone-tuft M (ライオン (株), 東京) を用いて一週間に1回, 計10回のPTCIを行った。O'LearyのPCRはPTCI前と10回後を比較すると, 平成13年と14年の2年とも有意に減少し, ブラッシングテクニックが向上したことが示唆された。Index Teethの平均歯周ポケット深さは10回のPTCIによって, 減少する傾向が認められ, 最大歯周ポケット深さは平成13年, 14年とも有意に減少した。Total CPIスコアと6歯のMaximum CPIスコアはそれぞれ, 次年度の検診時には有意に減少した。本研究の対象者は全体の2~3%であったが, PTCIにより, 母集団のTotal CPIの分布はスコアの小さいものが有意に多くなった。徹底的にPTCIを繰り返すと, ブラッシングテクニックの向上, 歯周病の進行阻止および, 改善にも有効であった。さらに, 小集団に対するPTCIは, 母集団に対しても波及効果があることが示唆された。このプログラムは10歳代の生徒に対して, 歯周病の予防に有効であることが示唆された。

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参考文献 (19)*注記

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