書誌事項
- タイトル別名
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- Range and Percentage of Paint Removed by Air Scaler in Subgingival Scaling and Root Planing Using a Teaching Model vs Curettes
- ―手用スケーラーとの比較 (模型上における検討)―
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説明
エアスケーラーによる歯肉縁下のスケーリング, ルートプレーニングの有効性を知る一助として, その到達度, 除去率について模型上にて手用スケーラーと比較検討した。<br>人工着色剤 (ポスカ®, 三菱鉛筆株式会社, 日本) を着脱可能な人工歯の歯根面に塗布し, マネキンに装着した学生実習模型P15D-AC22 (株式会社ニッシン, 日本) を使用して, スケーリング, ルートプレーニングを施行した。エアスケーラーには歯肉縁下用エアスケーラーチップのSONICflex® paro (Kavo EWL, Germany) を装着したエアスケーラーSONICflex® LUX2000L (Kavo EWL, Germany) (以下, エアスケーラー) を使用し, 手用スケーラーと比較検討した。手用スケーラーはグレーシーキュレットのミニファイブ®(Hu-Friedy, U.S.A.) (以下, キュレット) を使用した。被験部位は, 下顎左右中切歯, 側切歯, 上顎左側第一小臼歯, 下顎左側第二大臼歯の6歯を選択した。術者は, 当講座に入局後, 臨床経験年数が1年未満の10名を初心者群, 臨床経験年数が8年以上の10名を経験者群とした。到達度および除去率は, 人工着色剤除去部分に対するコンピューター上の画像解析により算出し, 器具別, 術者の経験年数別に比較した。<br>器具別による到達度の比較では, 初心者群のほとんど全ての被験歯根面においてキュレットと比較して, エアスケーラーの方が到達度が深かった。経験者群では全ての被験歯根面でエアスケーラーの方が到達度が深く, 上顎左側第一小臼歯口蓋側面と下顎左側第二大臼歯遠心面においては統計学的に有意な差が認められた (p<0.01)。<br>器具別による除去率の比較では, 初心者群, 経験者群ともにキュレットと同程度か, キュレットの方が除去率が高かった。しかしながら, 下顎左側第二大臼歯においては, ほとんど全ての歯根面においてエアスケーラーの方が除去率が高く, 経験者群の遠心面で統計学的に有意な差が認められた (p<0.01)。<br>経験年数別による到達度の比較では, ほとんど全ての被験歯根面で経験者群の方が深かった。経験年数別による除去率の比較では, 全ての被験歯根面において経験者群が初心者群より除去率は高かった。<br>以上のように, 今回使用したエアスケーラーチップは到達度の深いことが確認された。さらに, 下顎左側第二大臼歯遠心面のように深い骨内欠損を有する部位においては, エアスケーラーの方がキュレットより到達度・除去率ともに高く有効であった。経験年数別による比較で, エアスケーラーが到達度・除去率ともに初心者群が経験者群より低かったことから, エアスケーラーは初心者にとって易しい手技ではなく, 充分な訓練の必要があると思われた。
収録刊行物
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- 日本歯周病学会会誌
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日本歯周病学会会誌 46 (1), 20-30, 2004
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679388491904
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- NII論文ID
- 10012895832
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- NII書誌ID
- AN0019129X
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- ISSN
- 1880408X
- 03850110
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可