Stanford A型急性大動脈解離を発症した95歳女性に対し上行大動脈人工血管置換術を施行し救命し得た 1 例

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  • A 95-year-old Woman with Stanford A Acute Aortic Dissection who Underwent Successful Graft Replacement of the Ascending Aorta

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高齢者のStanford A型急性大動脈解離に対し上行大動脈人工血管置換術を施行し救命し得た 1 例を経験したので報告する.症例は95歳の女性.日常生活は自立していた.夕食時,突然の意識障害にて発症し,胸部レントゲン写真にて異常を指摘され当院に搬送された.CTにて大動脈解離,心タンポナーデと診断し,救命のため緊急手術を施行した.術後経過は順調とは言い難いが,77病日に軽快,リハビリのため転院となった.Stanford A型急性大動脈解離は緊急度,重症度ともに高く,保存的治療では予後不良であり,手術適応とされる.しかし,手術手技が安定した現在においても手術侵襲が大きいことに変わりなく,高齢者への手術適応にはさまざまな意見が述べられている.近年エントリー閉鎖を目標として,拡大手術を避け手術の低侵襲化をはかる試みがみられ,とくに高齢者の救命手術として有用と考えられる.

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