左総腸骨静脈閉塞と同側内腸骨動静脈瘻の合併に対する 1 治験例

  • 上原 彰史
    立川メディカルセンター立川綜合病院循環器・脳血管センター心臓血管外科
  • 山本 和男
    立川メディカルセンター立川綜合病院循環器・脳血管センター心臓血管外科
  • 三島 健人
    立川メディカルセンター立川綜合病院循環器・脳血管センター心臓血管外科
  • 榊原 賢士
    立川メディカルセンター立川綜合病院循環器・脳血管センター心臓血管外科
  • 杉本 努
    立川メディカルセンター立川綜合病院循環器・脳血管センター心臓血管外科
  • 吉井 新平
    立川メディカルセンター立川綜合病院循環器・脳血管センター心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Venous Reconstruction for Common Iliac Vein Occlusion and Ipsilateral Internal Iliac Arteriovenous Fistulae

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説明

仙骨と腸骨動脈とで圧迫されて生じた左総腸骨静脈閉塞と,同側の内腸骨動静脈瘻を合併した稀な症例に対し血行再建術で良好な結果を得た.症例は83歳女性.主訴は左下肢腫脹,痛み.左総腸骨静脈閉塞を合併した左内腸骨動静脈瘻と診断された.低侵襲治療を選択し,左内腸骨動脈瘻孔部にcovered stentを留置したが,1 カ月後左下肢腫脹が著明に増悪,心不全症状も生じ再入院した.開腹下に左内腸骨動脈離断,左内腸骨動静脈瘻結紮,10mmリング付きePTFE人工血管で左外腸骨静脈—下大静脈バイパス術を施行.左下肢腫脹は著明に改善し,術後 7 カ月で増悪を認めていない.本症例は非常に稀な病態である.内腸骨動静脈瘻は多発性に存在しており,外傷性,医原性,内腸骨動脈瘤も否定できることから,動静脈瘻のetiologyは先天性の可能性が高い.総腸骨静脈閉塞が進行したために動静脈瘻の所見がより顕著に現れたと考えられた.

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