LiDARとQuickbirdのデータを用いた森林植生タイプの分類

書誌事項

タイトル別名
  • Classification of forest vegetation types using LiDAR data and Quickbird images
  • LiDARとQuickbirdのデータを用いた森林植生タイプの分類 : 高山市大八賀川流域の事例
  • LiDAR ト Quickbird ノ データ オ モチイタ シンリンショクセイ タイプ ノ ブンルイ : タカヤマシダイ ハチガガワ リュウイキ ノ ジレイ
  • -高山市大八賀川流域の事例-
  • - Case study of the Daihachiga River Basin in Takayama city -

この論文をさがす

抄録

本研究では、大八賀川流域における森林植生タイプの分類精度向上を目的として、フェノロジーの観点から多時期Quickbird(QB)画像の利用と、樹冠高の観点からLiDARデータの有効性を検討した。QB画像は、2007年4月12日と5月23日を取得し、それぞれ幾何補正と地形補正を行った。樹冠高データはLiDARデータ(岐阜県、2003年)から作成した。研究方法は、対象地の森林をLiDARデータとQB画像を併用して分類し、その分類結果を4月QB画像による分類結果と5月QB画像による分類結果と比較した。はじめに4月QB画像と5月QB画像を最尤法で分類した。次に、LiDARデータとQB画像による分類について、1) 森林を、樹冠高3 m以上かつ正規化植生指数(NDVI、5月QB画像から作成)の値が0.001以上のエリアとして分類した。2) 森林のエリアを、地盤高データ(岐阜県)によって標高1,200 m未満(MapA)と標高1,200 m以上(MapB)に分けた。各エリアを4月QB画像によって最尤法で落葉樹林と常緑針葉樹林に分類した。標高1,200 m以上の落葉樹林のみ、5月QB画像によって最尤法でカラマツ林と落葉広葉樹林に分類した。最後に、MapAとMapBを統合して、流域の森林植生タイプ分類図を作成した。3) 検証用画素をランダムサンプリングで選び、分類総合精度とKHATを算出した。その結果、非森林と森林の分類では、LiDARデータとQB画像を併用した分類総合精度は96 %(KHAT 0.90)と高く、次いで5月QB画像による非森林・森林の分類総合精度は94.5 %と高かった。LiDARデータとQB画像を併用した分類では、LiDARデータによって非森林の森林への誤分類を回避できたと考えられる。森林領域内における森林植生タイプの分類では、4月QB画像によって常緑針葉樹林を高い精度(0.96)で分類できた。分類総合精度は4月QB画像では66.8 %(KHAT 0.54)、5月QB画像では68.8 %(KHAT 0.50)であったのに対して、LiDARデータとQB画像による分類総合精度は93 %(KHAT 0.91)となり、多時期QB画像とLiDARデータの複合利用によって森林植生タイプの大幅な分類精度の向上が認められた。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ