自家静脈グラフトを用いて膝下膝窩動脈へ閉鎖孔バイパスを施行した1例

  • 松島 峻介
    兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
  • 福隅 正臣
    兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
  • 本多 祐
    兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
  • 中桐 啓太郎
    兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
  • 吉田 正人
    兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
  • 向原 伸彦
    兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • Below-Knee Obturator Bypass to the Popliteal Artery with the Autologous Vein

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説明

大腿動脈-膝上膝窩動脈バイパスのMRSA人工血管感染に対して,自家静脈グラフトを用いて外腸骨動脈から膝下膝窩動脈への閉鎖孔バイパスを施行した症例を経験した.症例は67歳男性,人工血管による右大腿動脈-膝上膝窩動脈バイパスを施行後に鼠径創部の発赤ならびに腫脹を主訴に来院した.人工血管感染と診断し,中枢側吻合部にまで感染が及んでいることから,人工血管抜去ならびに閉鎖孔バイパスによる血行再建を一期的に行った.感染は膝上膝窩動脈を含む人工血管全長に及んでいたため人工血管を全抜去し,末梢側吻合部を膝下膝窩動脈とする閉鎖孔バイパスを大伏在静脈にて施行した.術後は感染の再燃を認めず,下肢虚血症状なく軽快退院した.大腿動脈から膝上膝窩動脈まで感染が及んだ人工血管感染に対し,自家静脈を用いた膝下膝窩動脈への閉鎖孔バイパスは経路が長くなるものの,感染治癒に優れており有用であった.

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