慢性左腸骨静脈閉塞および同側腸骨-大腿動静脈瘻に対するPalma bypass の1 治験例

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タイトル別名
  • A Case of Cross-Pubic Venous Bypass (Palma procedure) for the Treatment of Left Iliac Vein Occlusion and Ipsilateral Ilio-Femoral Arteriovenous Fistulae

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要旨:症例は58 歳女性.42 歳時に脳出血後左片麻痺となり,50 歳時に深部静脈血栓に伴う肺塞栓症にて左総腸骨静脈内に下大静脈フィルターが留置されていた.その後,フィルター部の左総腸骨静脈完全閉塞となり,続いて左下肢腫脹を伴う症候性動静脈瘻(arteriovenous fistula: AVF)が出現した.近医にて左鼠径部AVF 結紮術を試みたが,有効ではなかった.当院にて両大腿静脈間圧較差30 mmHg 以上を確認の上,両大腿静脈間自家静脈バイパス(Palma bypass)を施行した.術後は,左下肢の腫脹軽減および静脈圧低下を認めた.本邦では,Palma bypass の報告例が少ないが,片側性腸骨静脈閉塞に動静脈瘻を合併した症例に対し,有用な手術方法と考えられた.

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