アミロース-アミロペクチンゲルの動的粘弾性

書誌事項

タイトル別名
  • Viscoelastic Properties of Amylose-Amylopectin Gels
  • アミロース‐アミロペクチンゲルの動的粘弾性

説明

デンプンゲルの力学的挙動を検討するにあたり,この主要成分である直鎖状成分のアミロースおよび分枝状成分のアミロペクチン水溶液系の動的粘弾性を測定し両成分の緩和機構の差異とそれらを混合した場合の効果とを検討した。幅広い周波数領域における粘鐘性測定からアミロペクチン水溶液系の網目構造は主として生成消滅がくり返される水素結合ないしは分子鎖のからみ合いに基づく長い緩和時間を有する可逆的なものであり,自由に枝分かれした分子鎖はいわゆるゲルの二平衡弾性に有効な三次元網目の生成を阻害しているものと思われる。<BR>これに対してアミロースはその分子鎖の規則的再配列しやすいという本来の性質から結晶ミセルをつくることが考えられ,結果としてのゲルの粘弾性挙動も結晶性ゲルのそれを示していた。<BR>この両成分を混合することにより,アミロペクチンゲルの長い緩和時間を有す一時的な網目の緩和がアミロースの結晶性に基づく安定な橋かけにより制限を受けアミロース含有率の増大とともに結晶性ゲルの特徴を表わすようになった。

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