大気中における亜硝酸ブチルの光分解反応

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  • Photo-decomposition of Butyl Nitrite in the Atmosphere

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亜硝酸ブチルの光分解反応を空気中で行なった。光源は100W高圧水銀ランプ(最強スペクトル波長365nm)を用いた。光分解は暗黒下にまったく進行せず,光照射下にスムースに進行し,亜硝酸ブチルの初濃度が6430ppmのとき5時間の照射で87%の分解率を示した。光分解反応速度は亜硝酸ブチルの見かけ上の一次反応速度式にしたがうことがわかった。分解におよぼす温度の影響は30,40および50℃においては認められなかった。<BR>初濃度を6430~34ppmと変えて光分解反応を行なったところ,いずれの濃度の場合にも分解速度は見かけ上一次式にしたがうが,初濃度が小さくなるほど,速度定数が大きくなることが認められた。希釈ガスの反応におよぼす影響は空気,酸素下においては差はなく,窒素存在下に抑制され,また一次式にしたがわなかった。また亜硝酸ブチル-空気系にNOを少量添加した場合にも,光分解反応は抑制されることがわかった。反応生成物はGC-MS分析の結果,ブチルアルデヒド,1-ブタノール,硝酸ブチル,酪酸ブチルおよび酸性物質などであった。得られた結果および一般の大気化学反応に基づき,反応機構を検討した。

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