メタクリル酸亜鉛のラジカル重合および共重合

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  • Radical Polymerization and Copolymerization of Zinc Methacrylate

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メタクリル酸と水酸化亜鉛の反応でメタクリル酸亜鉛(ZMA)を合成し,そのラジカル重合および共重合について検討を行なった。α,α'-アゾビスイソブチロニトリルを開始剤とし,N,N-ジメチルホルムアミド中での重合で生成したポリーZMAは有機溶媒に不溶であり,二重結合の20~30%が未反応で側鎖として残ることを見いだした。しかも,この割合はモノマー濃度および重合率によってほとんど変化しなかった。このことは生長反応が分子間付加のみで進み,ポリ-ZMAとZMAの配位子交換反応によりポリマー中の二重結合量は平衡値に達するのであろう。得られたポリ-ZMAをポリメタクリル酸メチルに誘導してシンジオタクチックトリアド含量を決定したところ,-78~150℃ の温度範囲で約40%でほとんど変化は認められなかった。この結果は生長反応が分子間付加で進み,メタクリロィルオキシ亜鉛という大きな置換基をもつメタクリル酸誘導体のラジカル重合と考えられることを示すものであろう。スチレンとのラジカル共重合の結果からZMAのQ,e値を計算し,Q=1.45,e=0.68を得た。なお,これらの値はさきに求めたジメチルスズ=ジメタクリラートの値と非常に似ている。

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